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経営ビジョン・DX戦略

(1)当社の歩みと理念

三鈴建設株式会社は、昭和21年の創業以来、静岡県賀茂郡東伊豆町を拠点に、一般土木工事、建築工事、造園工事、土地・建物の測量設計、そして災害復旧工事を通じて、地域社会の発展を支え続けてきた。創業以来受け継がれてきた「当たり前を当たり前だと思わない、常識を常識だと思わない」という精神は、社名の由来である「3つの鈴」に込められた「安全」「環境」「先進性」という価値観として、現在の経営理念「安全・環境・先進性で築く、地域社会と共に成長する未来」に結実している。
当社は、地域のインフラを支える公共性の高い事業を営む立場として、平時の工事のみならず、台風被害等の自然災害発生時には静岡県下田市土木事務所や東伊豆町からの相談に迅速に対応し、地域の安全・安心の確保に貢献してきた。また、事業継続力強化計画の認定取得やパートナーシップ構築宣言の公表など、地域社会・取引先との信頼関係を大切にした経営を進めている。

(2)事業環境の変化と当社が直面する課題

建設業界全体を取り巻く経営環境は、大きな転換期を迎えている。生産年齢人口の減少に伴う技能労働者の不足、熟練技能者からの技術継承、働き方改革への対応、そして頻発化・激甚化する自然災害への備えは、当社のような地域密着型の中小建設業者にとって避けて通れない共通課題である。
一方で、国土交通省が推進する「i-Construction」に代表されるように、ドローンによる3次元測量、3次元データを活用した設計・施工計画、ICT建設機械による施工、検査の省力化など、建設業におけるデジタル技術の活用は着実に進展している。当社はこれまでもICT施工を積極的に導入し、精密な施工計画と品質・リスク管理の向上に取り組んできたが、これを個別の施工技術にとどめず、経営全体の意思決定や情報資産の活用にまで広げていくことが、今後の持続的な成長にとって不可欠であると認識している。

(3)DXに取り組む経営ビジョン

当社は、データ活用やデジタル技術の進化がもたらす社会及び競争環境の変化を、単なる脅威としてではなく、地域に根ざした中小建設業者が生産性を高め、技術を次世代に引き継ぎ、新たな価値を生み出す機会として捉える。この認識のもと、代表取締役自らが主体となり、次のとおりDXの推進に向けた経営ビジョンを定める。

  • ICT施工をはじめとするデジタル技術の活用を、個別現場の効率化にとどめず全社的な取組へと広げ、施工品質と生産性を高め、限られた人員体制のもとでも持続的に事業を継続できる会社をつくる。
  • 見積書・工事台帳・施工実績等、これまで現場や担当者ごとに管理されてきた情報資産を整理・共有できる仕組みを構築し、経営判断の迅速化と、熟練技能者が培ってきたノウハウの次世代への継承を図る。
  • 協力会社・取引先とのデータ連携や情報共有を段階的に進め、サプライチェーン全体の生産性向上と災害時の対応力強化に貢献する。
  • 従業員一人ひとりがデジタル技術を抵抗なく活用し、自ら業務の改善提案ができる組織風土を醸成し、地域の若手人材にとっても魅力ある企業を目指す。
  • これらの取組を通じて、「安全・環境・先進性」という創業以来の理念を、デジタル時代においても実践し続け、地域社会と共に成長する未来を築く。

(1)推進体制

  • 代表取締役 鈴木宏之がDX推進の責任者(実務執行総括責任者)を兼務し、経営判断としてDXを推進する。
  • 従業員数の少ない規模を活かし、全員参加型のミーティングでDXの方針・進捗を共有する体制を整える。
  • 商工会議所や地域のIT導入支援機関等、社内に不足する知見は積極的に外部リソースを活用する。

(2)デジタル人材の育成・確保

  • 自社の業務に必要なデジタルスキル(クラウドツール操作、データ入力・活用等)を整理し、従業員のスキル状況を把握する。
  • IT導入補助金等を活用したベンダー研修や、自治体・商工会議所が実施するDXセミナーへの参加を制度化し、全従業員が学ぶ機会を設ける。
  • デジタル対応に前向きな人材を明確化し、外部研修・資格取得支援を通じて計画的に育成する。

(3)ITシステム環境の整備

  • 社内で利用しているITシステム・データの棚卸しを行い、老朽化した機器や非効率な業務プロセス等の課題を整理する。
  • 受注状況や協力会社の稼働状況を可視化するクラウド型の工程・原価管理サービスを導入し、経営判断に必要な情報をタイムリーに把握できる体制を構築する。
  • 施工実績・原価データを蓄積するクラウドサービスの導入を検討し、主要な業務データの保管場所を統一することから着手する。

(4)サイバーセキュリティ対策

  • 自社の基本的なセキュリティ対策の状況(利用端末・データの管理状況等)を整理する。
  • 通信手段の複数整備、クラウドサービス利用時のパスワード管理・データバックアップ体制など、事業規模に見合った基本的な対策を計画的に導入する。
  • 対策の状況について、取引先が確認できる形での情報発信を検討する。

(注)サイバーセキュリティ対策は本方針の決定後、速やかに具体的な実施計画を策定し、実施に着手する。

(5)成果指標(KPI)とDX戦略の見直し

  • 書類作成時間の削減率、現場報告のデジタル化率等、業務効率化を測る簡易な指標をまず設定する。
  • 代表取締役を中心とした定例のミーティングでDXの取組状況・指標の進捗を定期的に確認し、必要に応じて本戦略を見直す。
  • 経営ビジョン・DX戦略の到達レベルについて、3年後を目途に自己診断(DX推進指標)の水準を高めていくことを目標とする。

(6)ステークホルダーとの対話

  • 自社ホームページや会社案内等を通じてDXへの取組方針を発信することから開始し、取組内容や成果についても順次発信していく。
  • 求人情報や会社案内等を通じて、デジタル人材の育成・確保に関する考え方を発信する。

代表取締役 鈴木宏之は、本経営ビジョン・DX戦略の推進状況について、社内会議等を通じて定期的に情報発信を行うとともに、自社が利用する情報処理システムにおける課題を主導的に把握し、必要な対策を講じる。

本方針は、代表取締役の決定をもって制定する。

決定日2026年9月1日
公表日2026年9月10日
公表媒体・場所自社ホームページ(https://www.misuzukensetsu.jp/vision-dx/)経営ビジョン・DX戦略ページ
決定機関代表取締役 鈴木 宏之

三鈴建設株式会社 代表取締役 鈴木 宏之

本方針は、事業継続力強化計画(BCP)の取組とも密接に関わるものである。当社は南海トラフ巨大地震等の大規模災害を想定したBCPの策定を進めているが、その中で整理した「情報システムの復旧」「クラウドを活用したデータバックアップ体制の整備」「複数の通信手段の確保」等の対策は、本方針のサイバーセキュリティ対策及びITシステム環境整備の取組と共通する部分が大きい。両者を整合させながら推進することで、平時の生産性向上と災害時の事業継続力の両面を強化する。

本方針は一度定めて終わりとするものではなく、代表取締役を中心に、事業環境やデジタル技術の変化、自己診断(DX推進指標)の結果等を踏まえて定期的に見直しを行い、内容を継続的に充実させていくものとする。

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